【納得!お料理ハック】さつまいもはレンジでチンしないで〜!甘みをだしたいときは・・・

 最近、「さつまいも」と一口に言ってもいろいろな産地、いろいろなブランドが出てきて、それぞれ好みの味を選べるようになり、あらためてさつまいもの奥深さの虜になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 とくに寒くなってくると、あったかい湯気のたつ焼き芋はもちろん、様々なお料理に登場してきますね。かくいう私も、さつまいもを入れた豚汁やフライに天ぷら、スイートポテトに大学芋!大好きなメニューがたくさんありますが・・・薄くスライスしたサツマイモより、ホクッと感をより感じられる、厚め・大きめにカットしたものが好み・・・でも、そうすると当然火が通るのに時間がかかる・・・で、どうするかというと、手っ取り早くレンジでチン!なんですよね〜。あらかじめレンジで柔らかくしておいたものに、パン粉をつけると、揚げる時間も短くて簡単!たしかに、それは間違いないんです。かくいう私も、よくそうします。この「あらかじめ」調理、時短を優先するときには有効ですよね。

ちょっと待ってちょっと待って!
さつまいもを、レンジで温めると甘みが出にくいって聞いたけど、ほんと?

 実はそうなんです!それにはちゃんと理由があって・・・
 さつまいもにはβアミラーゼという消化酵素が含まれていて、このβアミラーゼは加熱することによってデンプンをマルトースという糖分(麦芽糖)を生成します。これが、あの甘みの秘密!生のさつまいもをかじっても甘くないのは、このせいです。

あれ?加熱するんやったら、レンジでもええんとちゃう?

 それがちゃうんです。
 βアミラーゼが一番活発に働くのが55度から65度くらいで、70度前後くらいの温度でデンプンが糊化しないと分解してくれません。この温度帯を長〜〜〜く保てるよう、ゆっくりとした温度上昇で加熱していくと、甘みがしっかりと引出され、さつまいも本来のポテンシャルが発揮されます。電子レンジは確かに早く柔らかくなって便利ですが、一気に温度があがりすぎるので、βアミラーゼが働く間がなくて、糖化が進まないんですね。

そしたら、何で温めるのがいいの?

 さつまいもの甘みを存分に楽しむなら、丸ごと蒸すか、オーブンなどでゆっくりじっくりと焼いていくのがいいですね。

そういえば、石焼き芋が美味しいのはそのせい?

 いいところに気付いていただきました!まさにその通り!
 石焼き芋は、加熱ができる密閉容器の底に小石を敷き、その上にさつまいもを並べて下から加熱すると、小石から遠赤外線が放射され、容器内で反射した遠赤外線がさつまいもの表面を加熱します。このとき、さつまいもの表面の温度は250度程度に達し、水分は急速に蒸発します。けれど、内側の温度は65度〜75度にキープされ、水分を保持したままゆっくりゆっくりと加熱されます。

 このとき、さつまいものβアミラーゼがデンプンを麦芽糖に変えるんですね。石や〜きいも〜のおいもっが、甘くて美味しいのはこのためです。なんだか石焼き芋、食べたくなってきました。

焼く、蒸すはわかったけど、茹でるのは? 

 さつまいもは低温でじっくり、ですので、茹でる時も同じ。水から入れて、弱火でゆっくりと時間をかけて茹でてください。
 丸ごと茹でる方が、切り口から甘みが逃げてしまわないのでいいのですが、なにしろ時間がかかります!普通サイズでも30分くらいはかかるので、他にもいっぱいしなければならない家庭人には、無理って時もありますよね。そんな時、1センチ〜2センチ前後の輪切りにして茹でると、10分程度まで短縮できますので、ぐっとお手軽。この場合は、塩をひとつまみ入れると、甘みがアップされます。
 それから、切って茹でたり蒸したりする場合は、アク抜きを忘れずに!ただし、水にさらすのは栄養やうまみを逃してしまわないよう5分程度で。

 電子レンジは時短のヒーローなので、ついつい頼ってしまいますが、早く仕上がるということはすなわち温度上昇が急だということで、さつまいもの甘みを引き出すのには適さないんですね。さつまいもと同じようにβアミラーゼを持つかぼちゃも、さつまいも同様の調理法で、甘みアップ。ぜひ、覚えておいていただけると嬉しいです!

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