小さなボディですごいパワー。知って納得!栄養や保存方法などゴマのアレコレ。明日からのゴマライフに即活用していただけます!

そもそも、「ゴマ」って?
あまりにも日常にありすぎて「ゴマは、ゴマやん」となりそうなところですが、ふと、そんなゴマだからこそ、ちゃんと効能なんかを知って使えばいいんじゃない?と、調べてみることにしました。
ゴマは、ゴマ科ゴマ属の一年草の植物。アフリカが起源の植物で、暑さや乾燥に強く、あまり世話をしなくても良く育つタフ植物なのが特徴。世界のゴマ生産量をみても、スーダンやミャンマー、インドなどが上位常連国にあがっています。

そういえば、国産のゴマってあまり聞かないけど、日本でも生産しているの?
なんと、99.9%を輸入にたよっている状況ですが、国産のゴマもちゃんと存在します。日本では鹿児島県が生産量日本一。生産者の高齢化の問題などで、この貴重な国産ゴマも今後はどうなっていくか心配な状態なんだそう・・・
そんなゴマですが、日本人の食卓には欠かせない存在ですが、いったいいつぐらいから食べられているのか、ちょっと気になったので調べてみると、考古学の発掘調査から、なんと紀元前3500年頃のインドが発祥の地なんですって。日本にわたったのは、中国からと言われています。とはいえ、最初に「これ、食べられる!」って発見した人、つくづくすごいと思う。
「ゴマ」の栄養と、効能について調べてみました
ゴマは単に美味しいだけじゃなく、体にいいと聞くけれど、どんな栄養があるのでしょう。
栄養成分 | 特徴 | 効果 |
---|---|---|
脂質 | パルミチン酸や不飽和脂肪酸の オレイン酸、リノール酸 | ゴマ1粒のうち、50%をしめる脂質。ゴマ油がとれるのも納得。 オレイン酸・リノール酸それぞれ違いはあれど、 血中のコレステロール上昇を抑える働きがあり、すなわち、動脈硬化の予防に効果あり! |
タンパク質 | 必須アミノ酸を多く含むタンパク質 | 体内で作ることのできない必須アミノ酸9種類のうち、ゴマは8種類も含有。 タンパク質は、 免疫強化・疲労回復・抜け毛/薄毛の予防・腰痛予防・筋肉痛軽減などの効果あり。 |
食物繊維 | 不溶性食物繊維 | そもそも食物繊維は、腸内環境を整える効果があり、 とくに不溶性の食物繊維は、便意をもよおす作用があり、 ついでにコレステロールも一緒に便として排出してくれる優秀さ。 便秘改善に効果が期待できます! |
ビタミン | ビタミンE、B1、B2、B6、A、葉酸 | 抗酸化物質であるビタミンEを多く含むことから、 血管壁のコレステロールを取り除く働きがあり、脂質とあわせ、 高血圧や動脈硬化の予防におおいに効果が。 |
ミネラル | 鉄分、カルシウム、マグネシウム、、 マンガン、リン、亜鉛等 | ミネラルは女性の味方!代謝を促し活性酵素の分解に役立つマンガンや、 不足しがちな鉄分やカルシウムも含まれることから、 貧血・冷え症の改善、疲労回復、免疫力向上などの効果が期待できます。 |
ゴマリグナン | セサミン・セサミノール・セサモリン等 | ゴマリグナンは、セサミンなどの抗酸化物質の総称で生活習慣病といった 病気や老化の原因となる活性酸素の発生を抑制。 加えて注目すべきは、抗酸化物質のなかで唯一直接肝臓に働きかけることができる。 全体のうち70%もの活性酵素が肝臓で作られていることから、 そこに届いて働きかけることのできるゴマリグナンの効果たるや、想像にかたくありません。 またセサミン自体にアルコールや脂肪の分解を助ける力もあるため、肝臓の機能維持・向上にもよし。 このほかセサミンには、美肌効果、ダイエット、二日酔い防止、動脈硬化のリスクが減少する、 認知症・アルツハイマー予防、精神安定効果など多数 |

こんなに体にいいんなら、たくさん食べた方がいいの?
そう思いますよね!でも、実は違うんです。1日の摂取量の目安は大さじ2杯。なんだか少ない印象ですが、それにはちゃんと理由があります。
ずばり!太るから。それと、豊富に含まれる食物繊維と油分によって腹痛や下痢を引き起こす可能性があるからなんです。ゴマの栄養分の半分が脂質。とはいえ、一粒一粒でみると小さなゴマですから、ついつい侮りがちになりますが、炒りごま100gはおよそ600キロカロリーにもなります。
栄養豊富で、ちゃんと摂るとダイエットの味方にもなってくれるゴマ。くれぐれも食べ過ぎに注意して、上手につきあっていきましょう。
食卓にやってくる「ゴマ」の種類
ゴマ属はおよそ40種類ですが、食べられるのはこのうちの1種、セサミインディカのみ。ただし、この1種は3000にもおよぶ品種があります。国産のゴマは、「ごまぞう」「ごまえもん(現:まるえもん)」「ごまひめ(現:まるひめ)」などがありますが、いずれもなかなかキャッチーなネーミング。これまで、品種にまで注目したことがなかったので、これは楽しい。なかなか目にすることのない国産ゴマですが、見つけた際にはぜひ、品種にもご注目ください。

ところで、白ゴマ・黒ゴマ・金ゴマの違いは色だけ?
栄養に関していえば、含まれる量に多少の違いはあれど、変わりはありません。
特徴 | 味わい | お料理 | |
---|---|---|---|
白ゴマ | 外皮が白い 色が白く、香りもほのかで控えめなことから、 料理の引き立て役として万能。ゴマ油の原料になる。 黒ゴマに比べると脂質が多い。 | 控えめな甘みあり。 | 料理ほぼ全般によし。 白和えなど和食にとくにあう。 |
黒ゴマ | 外皮が黒い 脂質が3種の中では一番少ない。 色の黒さから料理の色味付けにつかわれることも。 アントシアニンの含有量が多い。 | 香ばしさが強い。 コクもあるが、苦味もある。 | 香りの強い食材との相性がよい。 料理のトッピングなどにもよし。 |
金ゴマ | 外皮が金色に近い濃い色。黄ゴマや茶ゴマともよばれる。 3種のなかで一番脂質が多い。 抗酸化作用の高いフラボノイドが多く含まれている。 白ゴマ・黒ゴマに比べて希少性が高い。 | 他に比べて香りが高く、濃厚。 旨味・風味が強い。 | 白ゴマ同様料理全般によし。 濃厚なことから、タレやドレッシング にもよくあう。 |
特徴をつかまえてお料理にいかせば、もっと美味しくいただけそうですね。
切る・炒る・擦る・・・その効果は
様々な料理に登場するゴマですが、その調理方法はお手軽。最近スーパーに並んでいるのは、ほとんどが「いりゴマ」か「すりゴマ」で、生のゴマである「洗いゴマ」はなかなかお目にかかりませんが、万が一、洗いゴマに出会う幸運に巡り合えたら、ぜひ自分で炒ったゴマの素晴らしい香りと風味を味わっていただきたいと思います。およそ、手間が掛かるものほど、その分きっちり「美味しさ」で返してくれますから、レッツトライです!
とはいえ、ゴマは切る・炒る・擦るのいずれかで私たちの口に入るわけですが、味や香りの違いだけでなく栄養を摂取できる量にも違いがあります。
特 徴 | 栄養の摂取量 | 適した料理 | |
切る (きりゴマ) | まな板の上にゴマをひろげ(ペーパーナプキンの上など)、包丁で細かく切る。 すりゴマと違い、油分が出ないため、香りだけ活かしたいというときに。 | ☆☆☆ | 食材ともよくからむので、 酢飯や、麺類などにも適している |
炒る (いりゴマ) | とくに炒りたての美味しさは格別。買ってきた炒りごまでも、炒り直すことで香ばしさは 復活します。ポイントは炒りすぎないこと。余熱でも十分火が通ります。 ゴマの外皮はかたいので、いりゴマの状態で口にいれても、小さな粒はかみ砕くことが出来ず ほとんど飲み込んでしまい、豊富な栄養はほとんど体内に取り込まれないことに。 | ☆ | 各種料理の仕上げに。 |
擦る (すりゴマ) | ゴマの栄養をしっかりと吸収したいなら、すりゴマが一番。 ゴマ特有の香りも高く、食欲が刺激されます。ただし、この香りは飛んでしまいやすいので、 面倒でも食べる量づつ擦るのがおすすめ。 すり鉢で大きく円をかいて擦っていくと、手早くペースト状になります。 | ☆☆☆☆☆ | ゴマ和えやドレッシングにも |
ただしいゴマの保存方法とは?
美味しくて栄養豊富なゴマですが、普段、どのように保存していますか?
封をあけてからのゴマの賞味期限はおよそ1ヶ月といわれています。もちろん、それをすぎたからといって即食べられないということはありません。では、なるべく美味しい状態で長持ちさせる保存方法とは?
保存方法と保存場所 | |
ゴマ(いりゴマ・すりゴマ・切りゴマ) | 密閉容器にいれて冷蔵庫へ。冷凍も可。その場合しっかりと空気を抜き、なるべく小分けにして、 解凍する際に湿気ないように。湿気た場合は、再度炒り直しましょう。 |
練りゴマ | 冷蔵庫はNG。冷たすぎる場所では油分が白く固まってしまいます。 冷暗所で保存するのがのぞましいようです。 ちなみに油分が固まった場合は、湯煎などでじっくりと温めてほぐしましょう。くれぐれも電子レンジはつかわないように。 ゴマはほぼほぼ油です! |
ゴマ油 | 冷暗所に保管し、なるべく早めに使い切るのがおすすめ。 高温にさらされると劣化が早まりますので、コンロのそばはさけましょう。 |

ところで、ゴマって腐るの?
ゴマが腐ることはありませんが、カビたり、あまりにも長期間放置していると激しく劣化します。油分の酸化が主な原因で、色が変わったり、ものすごく油臭かったり。食べることはおすすめしません。
いかがでしたでしょうか。小さな1粒に驚くほどの健康パワーを秘めたゴマ。しかも香り高く美味しいゴマ。なにげなくパラパラっと振りかけるのではなく、今日からは少〜〜〜しだけ意識して、使ってみませんか?