水洗いではとれないレモンのワックスや防カビ剤。でもこうすれば、安心です!

 最近レモンの輪切りスライスを大量につかったお鍋やラーメンなど、とても爽やかでインパクトのあるメニューを見かけるようになりました。空前のレモンサワーブームもあり、某アーティストの楽曲にその名を使われたり・・・これまで以上に「レモン」にスポットライトが当たっている感じ。
 とはいえ、調べてみるとレモンの国内自給率が10%に届かないということ。日本では、地域団体商標として認定されている「広島レモン」が有名ですが、愛媛や和歌山でもさかんに生産されています。
愛媛に和歌山?そう、「みかん」の有名なところですよね。それもそのはず、レモンはミカン科ミカン属の柑橘類。当然栽培に適した土地も同じということでしょう。温暖な気候で、潮風にも強いというレモンですが、原産はヒマラヤ東部。個人的には、「サンキストレモン」のイメージが強くて、なんとなくアメリカが原産かと思っていたので、ちょっとびっくり。確かにアメリカも主要産出国ではありますが、現在はインドや中国がトップシェアを占めています。
 ちなみに、サンキストレモンは、数あるレモンの品種の中で、南カリフォルニアで開発されたリスボンという種類。「サンキスト」はそのブランド名です。広島で栽培されているレモンも、この「リスボン」種。

 輸入レモンと国産レモン、同じレモンですが、大きな違いはやはり防腐剤や防カビ剤などの農薬や、ワックス等が塗布されているかどうか。通常、農薬は栽培の途中で使用されますが、レモンの場合はポストハーベスト農薬として収穫後に噴霧されます。名目上は防腐剤や防カビ剤ということで食品添加物の扱いですが、れっきとした農薬です。なぜこれらが必要かというと、主に長距離・長時間におよぶ輸送に耐えるため。このため、国産レモンの方が低農薬・無農薬を実現しやすいんですね。

 もちろん、きちんとした安全基準にのっとって我々の食卓までやってくるわけですから、口に入れたところで即健康被害がある!というわけではありません。でも、人情としてなるべくなら「農薬」を体に入れたくない、ですよね。できるなら輸入物に比べて、低農薬・無農薬の国産レモンを使いたいところですが、こちらはお値段もかなりのもの。
 私は夏場になると、カットしたレモンを凍らせて、レモンのコンフィチュールをジンジャエールで割ったものに、このレモン氷をたくさん入れて飲むのが大好きなのですが、そんな時はケチケチせずにたっぷり使いたい。となると、やはり輸入レモンに軍配があがるのですが、こちらには防腐剤・防カビ剤の問題が・・・しかも、水洗いでは落ちないとな。というわけで、この防腐剤・防カビ剤を可能な限り落とす方法を調べてみました!

「お湯」が効果的!

 沸騰したお湯で30秒。80℃以上の熱湯に約1分浸けておくだけで表面のワックスや防腐剤等が溶けて剥がれやすくなります。お湯を通したあとは必ず流水でしっかり洗いながすことがポイントですが・・・。
 ここでちょっと違和感が・・・そう、お湯につけると剥がれやすくなる(溶ける)、ということは、皮ごと輪切りにしたレモンをたっぷり敷き詰めたお鍋や、昔ながらの、レモンスライスをあったかい紅茶に浮かべるレモンティーなんかは、ちゃんと処理をしてからじゃないと、溶け出たワックスや防腐剤、防カビ剤を食べているようなもの。一時期、ポストハーベスト問題が声高に叫ばれはじめたころから、喫茶店で出されるレモンティーは、スライスを直接紅茶に入れるのではなく、1人用のスクイーザーにレモンを添えて提供され始めましたよね。果皮に多く付着する農薬ですから、果汁を絞って使う分には安心、ということです。

重曹はここでも万能

 アルカリ性の「重曹」がワックスを分離して剥がしてくれるというもの。重曹を溶かした水にレモンを1分程度浸けておいて、洗い流します。この方法は、特にレモンに限らず、葉物野菜などにも有効。ワックスだけでなく農薬も洗い流せるので重宝です。ただし!食用の重曹を使うことを忘れずに!

塩で揉むのも有効です

 粗塩で優しく揉むようにこすり洗いをするのも有効です。表面についたワックスを削り取ります。塩で傷ついた部分から有害な物質が排出されますが、洗ったあとは鮮度の落ちるスピードが早くなることから、すぐ料理に使うという場合以外はおすすめできません。
 塩といえば、塩やお酢を入れた水に10分程度つけるという方法もあります。お湯や重曹を使うのがちょっと抵抗あるという場合にはいいかもしれませんが、落ちやすさでいえば、お湯や重曹の方がいいかもしれませんね。

専用の洗剤があるの、ご存知でしたか?

 みなさんは、野菜洗い用の洗剤があるの、ご存知でしょうか?目に見えないのでなかなかピンときませんが、ワックスのプラスイオンに、マイナスイオンの洗剤が吸着することによって、分離するという仕組み。しかもスプレー式だとなにかと便利そうですね!
 また、最近話題なのが、「ホタテ」です。ホタテのパウダーの除菌・消臭、洗浄力にはびっくりです。天然成分ですので、口に入れても安心な上、排水溝に流しても、排水溝のお掃除をしつつ、かつ環境にも優しいなんて言うことなし!
 このホタテパウダーをお水に溶かし、レモンを5分程度漬け込んでおくと、ワックスや添加物が浮いてくるというんですから、使わない手はありませんね!

こんなに洗え洗えというのは、皮に栄養があるから?

 お察しのとおり!洗うのが面倒なら、皮をとっちゃえば済むこと。または、果汁だけを絞ればいいだけのこと。でも、レモンも「皮」に多くの栄養があるので、出来る限り「皮」も口に入れたい。レモンも含め、柑橘類の皮には、リモネンが豊富に含まれていますが、香り成分であるこのリモネン、リラックス効果やダイエット効果もあれば、食欲のないときに食欲を増進させるといった効果もあり、また、髪の毛にもいいようです。抜け毛を防止してくれるだけでなく育毛促進効果も期待できるそうですよ。


 いかがでしたでしょうか。私は家族が高血圧で塩分を控えた食事を心がけていますが、そんな時にも「レモン」は強い味方。レモンの酸味や爽やかな香りは食事を豊かにしてくれます。これからも、安心して、レモンを使っていきたいものです。

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