実はキュウリはギネス世界記録保持者。では、なんの記録でしょうか?A)世界一栄養がない B)世界一カロリーが低い

正解は B)世界一カロリーが低い 野菜として認定されています

 いろいろな記録がレコードされているギネスブック。その中に、キュウリに関する記録もあります。
 ギネスワールドレコーズでは、キュウリの記録名は「Least calorific fruit」。すなわち「カロリーの最も低い果実」として認定されています。
おや、果実?フルーツ?いえいえ、ここでは「野菜か果物か」はあえて深く追求はしませんが、植物学的には「実」を「フルーツ」と呼ぶらしいので、直訳するとこういう表記に。
 ちなみに、どれだけ低カロリーかというと、キュウリ1本(およそ100グラム)あたり、約14キロカロリー。糖質量にいたっては約2.1グラムです。
トマトの場合だと、1個(およそ200g)あたり、約39キロカロリー。糖質量は約7.4グラムですので、やはり、かなりの低カロリーですね。

カロリーが低い=栄養がない・・・ではありません!

 栄養がないなんて、なんとまあ不名誉な!これはいけません、すぐにこの誤解を解消しなくては。
 前述のとおり、キュウリは世界一カロリーが低い野菜ですが、それは、体にとって重要な三大要素である、糖質・タンパク質・脂質が少ないということで、他の栄養素について云々しているものではありません。

 では、約95%が水分でできていて、三大栄養素がほとんど含まれていないキュウリですが、その他の主な栄養をみていきましょう。

カリウム

 キュウリに最も多く含まれる栄養素は「カリウム」です。日本食は、洋食などと比べて塩分量の多い料理ですが、そのためもあってか、日本人は塩分の摂り過ぎによる高血圧やむくみの症状に悩まされている人が多いと言われています。しかし、この「カリウム」は、体内に入ったナトリウム(塩分)と結合して、体外へと排出してくれる働きを持っています。

 キュウリには、1本(約100グラム)あたり200mgのカリウムが含まれていて、これは、成人男性だと1日の必要量のおよそ1/10にあたると言われています。
 では、たくさん食べれば食べる方がいいかというと、決してそうではなくて、とくに注意していただきたいのは、腎臓が弱っている場合。「高カリウム症」を引き起こすと、吐き気やしびれ、不整脈などの症状があらわれますので、腎臓の数値がちょっとなぁという方は、早めにお医者様に相談を。

βカロテン

 キュウリの表面の鮮やかな濃いグリーンは、色素であるβ(ベータ)カロテンの働きによるもので、1本(約100グラム)あたり330μg(マイクログラム)。茹でた枝豆が290μg、缶詰のトマトジュースが310μgなので、同じくらいの量ですね。

 βカロテンがどんな働きをするかというと、まず、体内で「ビタミンA」に変換されます。このビタミンAが不足するとお肌や髪の毛の代謝が落ち、視力の低下なども引き起こすというもの。皮膚や粘膜を健やかに保つ働きをするため、免疫力を高める作用も持っています。また、ポリフェノールとして発癌作用を抑えたり、動脈硬化や心筋梗塞などの怖い生活習慣病から守ってくれるなど、実にありがたい働きをしてくれます。

ダイエットにも効果的?!

 キュウリは、カロリーが低いだけでなく、ホストリパーゼという食物酵素の一つが含まれ、ダイエットに効果的だと言われています。

 このホストリパーゼは、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに加水分解する反応を触媒する酵素で、体内の老廃物や毒素を排出する、いわゆるデトックス効果があります。このほかにも、代謝アップも期待できるので、ダイエット中の人は、積極的に食べたい食材ですよね。あ!キュウリダイエットって、食事の「前」にキュウリを食べるのが良いそうなので、ご注意を!

ところで、カッパさんはなぜキュウリが好物なんでしょ・・・
まさかのダイエット中?

皆さんおなじみ、川の妖怪「カッパ」さん。日本全国様々なカッパさんのスタイルがあれど、やはりポピュラーなのは、頭のお皿に背中の甲羅、そして緑のお姿。
このカッパさん、イラストや挿絵で拝見するとかなりの確率でキュウリを手にしていると思いませんか?そう、好物はキュウリ。緑なだけに?いやいや、川の妖怪ならそれらしく、川でとれるものが好物のほうが、キャラとしてはいいのではないかと、要らぬ心配さえしてしまいます。
でも、カッパ=キュウリ好きにもちゃんと理由があって、キュウリは非常に水分量の多い野菜ですので、お皿が乾くと即弱ってしまうカッパさんには、水分補給の強い味方でもあり、体を冷やす役割も果たすキュウリは、場合によっては、直接体に巻きつけてしまうほど、必須アイテムなんですね。そんなわけで、キュウリの巻寿司は「カッパ巻き」。いやはや。

余談ですが、女性に人気のボブヘアー。今でこそかっこのいい呼び方ですが、ちょっと前までは「おかっぱ」って言ってませんでした?当然「おかっぱ」は、カッパさんのヘアスタイル(お皿の部分?)が由来とのこと。いやはやいやはや。


 さて、最後までお読みいただいてありがとうございます。カッパさんのくだりはともかく、普段何気なく食べている「キュウリ」のことを少し考えてみました。
 そうそう、ポテトサラダにもよく入っているキュウリですが、パリンっとした歯触りをキープしたいなら、ポテトサラダをつくる前日くらいから切らずにそのまま塩麹につけて冷蔵庫へ。それをスライスして使うと、パリンッポリンッと、とても軽快な歯触りが楽しめますよ。どうぞお試しあれ。

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